おそらく多くの人は、FXで利益を出せば必ず税金の支払いがあると思っているのではないでしょうか。
実は、FXで利益を出していても税金を支払うべきケースと支払わなくても良いケースの2種類があります。
このページでは、FXの税金について知っておくべき情報を完全網羅していますので、ぜひ最後までご覧になって知識を習得しておいてください。
▶給与所得2,000万円未満で雑所得(FX利益)年間20万円超の人は確定申告が必要
▶繰越控除を受けられる為、FXで損失が出ても確定申告しておいた方が良い
FXの税金は利益に対して約20%がかかる
FXの税金はトレードで得た利益とスワップポイントで得た利益に課されます。
具体的な税率は、以下のとおりです。
FXは合計9つの所得区分のうち「雑所得」に該当します。
ただし、通常の雑所得のように総合課税扱いではなくFXは申告分離課税。
通常の雑所得では最大55%課税されますが、FXの場合は上記に示した20.315%が最大課税です。
数年前に仮想通貨トレードが流行りましたが、こちらは総合課税扱いになり最大55%もの税金の支払いが発生しました。
このように投資という側面では似ていていも税金面は異なるため、他の投資と同じだろうという納税意識は持たないようにしましょう。
FXでかかる税金の計算方法
このようにFXの税金の計算方法は上記に示した計算方法で簡単に判明します。
ですが、実は、FXかかる利益に対して経費処理する事が認められている為、経費計上するともう少し納税額を減らす事が可能となります。
FXの税金対策!経費となる項目とは?
税金対策に少しでも経費を組み込むようにしましょう。
FXの経費に認められるものは、以下のようなものがあります。
- 売買手数料
- 入出金時の手数料
- セミナー受講料
- 投資判断に利用した新聞等の有料情報
- 書籍代
- パソコン
- パソコン用のモニター費用
上記に挙げたもの以外でも経費に認められる可能性はあるため、確定申告前に税理士や税務署の職員に確認すると思わぬ節税になるかもしれません。
ただ、基本的にFX以外でも使うインターネット通信費等は経費に認められるケースは少ないので、必要以上に経費計上できるものは少ないでしょう。
FX取引でかかる経費の「按分」という方法について
例えば、パソコン購入費用として15万円を経費として処理したいとします。
その際、税理士さんに経費処理について確認をとると、個人利用とFX利用の割合確認をとられます。
となると、パソコンの購入金額15万円の内、7割分のみ経費処理する事が可能となります。
国税庁のHPにも掲載されていますので、参考までにご確認ください。
(出典:国税庁HP やさしい必要経費の知識)
FXで確定申告が必要な条件とは?
FXで確定申告が必要な条件は、以下に該当する人です。
- 給与所得2,000万円超の人
- 2か所以上から給与を得ている人
- 給与所得2,000万円未満で雑所得年間20万円超の人
- 給与所得者以外で雑所得年間48万円超の人
- 公的年金等の収入金額400万円以下の年金生活者で雑所得年間20万円超の人
つまり、会社から給料を貰っている人で年収2,000万円未満の人は、FXの利益が年間20万円未満であれば確定申告の必要はありません。
ということは、確定申告をしたくない場合、あえて年間の利益を20万円までに抑えるという考えもできるでしょう。
また、フリーランスや専業主婦といった給与所得者ではない場合、年間の利益を48万円未満に抑えれば確定申告の必要はありません。
以上のように、FXで利益を得たからといって全員が確定申告の対象ではないため、対象者のみ確定申告すれば大丈夫です。
FXの税金計算に「含み益」は含まない
確定申告は、その年度の1月1日~12月31日までの期間を合計した損益です。
12月31日をまたいで含み益のポジションを保有していた場合、確定申告の必要性はあるのかというと、答えは、含み益は関係ありません。
含み益は確定申告する必要がないので、仮に含み益が1億円でも確定申告は不要。
以上のようにFXの確定申告は利益にのみかかり、含み益は関係ありません。
未決済ポジションのスワップポイントにおける含み益と税金
スワップポイント重視で長期トレードをしていた場合、未決済ポジションでスワップポイントが結構な金額になっているケースもあります。
先の項目で含み益は確定申告不要と記しましたが、未決済ポジションのスワップポイントについては異なります。
各FX業者によって未決済ポジションのスワップポイントでも確定申告が必要になるケースと不要になるケースがあります。
以下の表に有名所の各FX業者の違いについて分類してみましたので、確認してみてください。
未決済ポジションのスワップポイントでも確定申告必要なFX業者 | 未決済ポジションのスワップポイントでも確定申告不要なFX業者 |
---|---|
・インヴァスト証券(トライオートETF、シストレ24、トライオートFX、FX24) ・GMOクリック証券(FXネオ) ・サクソバンク証券 ・セントラル短資FX ・外貨ex byGMO ・マネースクエア ・楽天証券 ・みんなのFX | ・ヒロセ通商 ・SBIFXトレード ・ひまわり証券 ・ライブスター証券 ・FXプライムbyGMO ・マネックス証券 ・FXブロードネット ・アイネットFX ・外為オンライン ・FXTF ・外為ジャパン(未決済でスワップを受け取れば課税対象) ・外為どっとコム(未決済でスワップを受け取れば課税対象) ・DMMFX(未決済でスワップを受け取れば課税対象) ・マネーパートナーズ(未決済でスワップを受け取れば課税対象) |
以上のように各FX業者によって対処は異なります。
たとえば、スワップポイント重視で長期トレードをする場合、未決済ポジションのスワップポイントに課税されないFX業者を選ぶようにしましょう。
FXの確定申告のやり方
現在、インターネット上で確定申告の提出まで可能になりました※。
※公的個人認証サービスに基づく電子証明書(e-TAX)を取得している場合のみ
確定申告の際には、国税庁の公式HPに設けた「確定申告書等作成コーナー」の作成ガイドに沿って作成することができます。
そして、国税庁の公式HPで作成した書面をプリントアウトしたうえで、提出すべき添付書類やマイナンバー書類のコピーと郵送すれば確定申告は完了します。
このように、確定申告は以前に比べて決して難しいものではありません。
また、先に説明した公的個人認証サービスに基づく電子証明書(e-TAX)を取得する方法は、住民票がある各地方自治体に問い合わせれば回答してくれます。
FXの確定申告で必要な添付書類とは?
FXの確定申告では、以下のような書類を提出しなければなりません。
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 印鑑
- 年間取引報告書
- 経費の領収書
- マイナンバー書類
いざ確定申告する前に用意を始めると予想外に時間がかかることもあるため、なるべく事前に用意しておくようにしましょう。
FXで損失が出ても確定申告をおすすめするワケ
FXのトレードで年間を通して損失になった場合でも確定申告はするべきです。
たとえば、前年に50万円の損失を確定申告、今年に50万円の利益を確定申告、すると前年度と相殺して0円になるため納税義務はありません。
このように繰越控除という税制面のメリットを受けられるので、FXトレードで損失が発生した場合でも確定申告はするようにしましょう。
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FXの税金計算知識まとめ
FXトレードにおける確定申告では、ややこしく感じるかもしれませんが、決して難しいものではありません。
このページで大事なポイントを以下にまとめてみましたの、もう一度確認しておいてください。
- 給与所得2,000万円超の人は確定申告必要
- 2か所以上から給与を得ている人は確定申告必要
- 給与所得2,000万円未満で雑所得年間20万円超の人は確定申告必要
- 給与所得者以外で雑所得年間48万円超の人は確定申告必要
- 公的年金等の収入金額400万円以下の年金生活者で雑所得年間20万円超の人は確定申告必要
- 含み益のスワップポイントで確定申告必要なのはFX業者で異なる
- FXの税率は20.315%
- 経費に計上できるものもある
- 繰越控除は3年間
- 確定申告書類の作成は国税庁公式HPの「確定申告書等作成コーナー」を使うとわかりやすい
以上のようにFXにおける税金や確定申告は、決まりや所定の方法を覚えておくことでスムーズにできます。
FXは利益だけでなく損失でも確定申告することでメリットを受けることもできるため、確定申告の知識はつけておくようにしましょう。
FXは考え方次第で利益を着実に生み出す事が可能です。
FXの特性上、短期的に利益を大きく取りに行けるので、ギャンブル性が高いようにも思えます。
ただ「FXで負けてしまう行動を徹底的に抑える事」で、着実に利益を生み出す事ができます。
ぜひ、堅実なFXライフを送るための考え方をご欄下さい。