上記の状態は、実は「損切り貧乏」という泥沼にハマっている可能性が非常に高いです。
損切りを繰り返し利益を圧迫する「損切り貧乏」に陥ってしまうのは、一体なぜなのでしょうか?
本稿では、損切り貧乏の基礎知識、損切り貧乏になってしまう原因と解決策について解説します。
本稿を読めば、初心者のうちから損切り貧乏の危険を避け、上手な損切りができるようになるはずです。
2. 小さいポジションから始める
3. 他人に流されない
4. 損切りの目安を決めておく
FX初心者が必ず陥ってしまう勉強法をご存じでしょうか?
勉強は結果を出す為に行うものですが、やり方を間違えてしまうと、途方もない時間を費やす事になってしまいます。
FXの勉強の仕方について、ちょっとしたコツをご紹介しておりますので、気になる方は下記記事をご欄下さい。
FX最速勉強法1 | 通勤中に動画視聴しながらFXの勉強 |
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FX最速勉強法2 | FXアプリで少額エントリー |
FX最速勉強法3 | インプットとアプトプットをひたすら繰り返す |
FX最速勉強法4 | チャートの形を覚える |
FX最速勉強法5 | トレード記録をつける |
FXで言う「損切り」の意味を再確認
ポジションを取ったあと、値動きが逆行(損失が発生する方向への値動き)して含み損が発生した場合には、
- 何もしない
- 早々に損切りする
のいずれかを選択します。
逆行が一時的なものであると考えるならば、あえて何もせず、含み損が解消するのを待ちます。
しかし、見込み違いによって逆行している場合、何もせずに放置すれば含み損はどんどん膨らんでいくため、素早い損切りによって損失を最小限に止めることが重要です。
損切りができなければ、見込み違いのたびに大きな損失を被ることとなり、パフォーマンスは大幅に低下します。
これが、「投資で安定して稼ぐには、損切りが絶対に必要」といわれるゆえんです。
初心者ほど損切りを心がけるべき
もし、何もせずに含み損を抱え込むならば、それは自信をもって「今後、好ましい値動きに戻るだろう」と見込んで何もしないのではなく、単なる希望的観測に過ぎない場合が多いです。
したがって、初心者が逆行に遭遇した際には、初心者である自覚によって、「とりあえず損切りしておこう」と判断するくらいがちょうどよいでしょう。
しかし、損切りは簡単ではありません。
なぜならば、「損切り=損失の実現」であり、心理的に強い抵抗が伴うためです。
だからこそ、初心者のうちから損切りを心がけることが重要です。
初心者のうちは、見込み違いを起こすのが普通であり、いわば損切りの機会がたくさんあります。
これを「損切りの練習」と捉え、しっかり損切りしていくことによって、心理的抵抗は着実に軽減されていきます。
逆に、初心者の段階で「損切りせずに傍観すること」になれてしまうと、いつまでも損切りが上達せず、FXで安定的に稼ぐことは不可能です。
長期目線で考えるならば、初心者であるからこそ、損切りを心がけるべきなのです。
FXの「損切り貧乏」を定義
そもそも損切りとは、損失を限定することが目的です。
素早い損切りによって、一回当たりの損失を抑えることができても、損切りを繰り返すことによって小さい損失を度々被るならば、トータルでは大きな損失になってしまいます。
このように、無駄な損切りをしすぎることによって、損失の拡大を招くことを「損切り貧乏」ともいいます。
損切り貧乏は、FXに限らず、あらゆる投資を通じて、古くから戒められてきました。
実際、日本の古い相場格言にも「相場の器用貧乏」というものがあります。
素早く損切りし、損失を軽減する様子はとても器用に見えますが、無駄が多ければ器用貧乏にほかなりません。
FXを始めて間もない時期には、損切り貧乏に陥りやすいため、特に注意が必要です。
初心者といえども、「損切りが大切である」ということを、知識として知っている人は多いものです。
しかし、「損切りしないことの危険性」は知っていても、「損切りしすぎることの危険性」までは考えない人が多く、損切りを繰り返し、損切り貧乏に陥ってしまうのです。
したがって、これからFXに取り組む人は、損切りの重要性を認識しつつ、また一方で損切り貧乏に陥らないことを意識する必要があります。
損切り貧乏になってしまう人の4つの特徴
- 焦って売買する
- いきなり大きなポジションを取る
- 損失を恐れすぎる
- 他人に流される
まずは、上記の特徴を学び、反面教師とするのが良いでしょう。
1. 焦って売買する
通貨の価格は、ニュースによって大きく動くことがよくあります。
分かりやすい例では、経済指標(雇用統計や貿易収支など、各国の経済や世界の経済に影響を与える指標)が発表されると、その結果によって値動きが急速に活発化することがあります。
もちろん、そのほかの色々なニュースでも動きます。
ニュースによる値動きは、トレンドの転換をもたらしたり、トレンドの継続を後押ししたりするケースも珍しくありません。
このため、短時間のうちに大きな値動きを見せたとき、「今こそ買い(売り)のチャンスだ」と断定し、焦って売買してしまう人が多いのです。
しかし、実際には、ニュースの影響が持続しないことも多く、その場合には逆行による含み損を抱える可能性が高いです。
この時、焦って売買した人は損切りを迫られます。
さらに、このような人は「今がチャンス」という見方に慣れてしまっているため、様々な局面で焦りによる売買を繰り返す傾向があり、損切りを迫られる回数も多く、損切り貧乏に陥ります。
2. いきなり大きなポジションを取る
焦って売買する人は「今がポジションを取る(儲ける)チャンス」と考えているわけですが、チャンスと信じている局面では利益の最大化を図るのが普通であり、ハイレバレッジで大きなポジションを取ることも多くなります。
大きなポジションを取ると、ポジションが大きい分だけ、利益も損失も大きくなります。(要はリスク変動)
値動きが逆行した場合の含み損も大きく、恐怖心が募ります。
小さいポジションであれば、発生する含み損は小さく、恐怖心も小さく、逆行の際にも落ち着いて値動きを見るだけの余裕があります。
ところが、大きなポジションであるがゆえに、取るに足らない逆行であっても、恐怖心から損切りしてしまいます。
つまり、いきなり大きなポジションを取ったことにより、早すぎる損切りを招いてしまうのです。
これも損切り貧乏の原因となります。
3. 損失を恐れすぎる
損失への恐れは、損切りの実践に欠かせない要素であり、ある程度は必要です。
しかし、損失を過度に恐れてしまうと、「これくらいの含み損で損切りしよう」という目安がシビアになります。
これも、取りに足らない逆行で損切りすることにつながり、損切り貧乏を招きます。
4. 他人に流される
これは、初心者に多い特徴です。
なぜならば、初心者のうちは自分の売買に自信が持てず、人の売買を参考にしようとすることも多いからです。
ネットには、他人の売買の情報があふれています。
例えば、ツイッターで検索すると、売買に関する投稿がたくさんみつかります。
私は出来るだけこの下からのロングは利が伸ばせればと思っています、ただしいつ売られてもおかしくないそう思っているため、シナリオと違ってBの地点までレートが折り返した場合はBの地点で潔く買った値段で逃げます、もう少し上昇するなら利を確保しつつストップをあげていきます(*´˘`*)🍀 #ドル円 pic.twitter.com/9AvmCuIwds
— テクボタFX (@FX67733384) December 8, 2020
ポンド円ショート⚡⚡
久々損切りなし✨
利食いした後、爆上げしたから焦りました💦
しかし、これが相場ですね🤔
利食いのタイミングは奥が深い🤔 pic.twitter.com/0XV4fHU2bl
— エヌ@FXISMトレーダー✊⚡ (@nhadou_1_2_fx) December 8, 2020
そのような投稿をする人は、自身の投資判断に何らかの基準を持っているのが普通です。
判断に自信がない人は、そもそも売買していないか、売買していたとしても、自信のない判断を披瀝(ひれき)する気にはならないでしょうから、ツイッターに投稿することもありません。
このため、ツイッターなどで見つかる投稿には、自信にあふれた投稿が非常に多いです。
自分は買いだと思っていても、いまひとつ自信が持てない初心者が、自信ありげに買いと判断する情報を目にすれば、自分も買おうという気になりやすいでしょう。
もちろん、このような投稿の中には、自分とは逆の判断をするものも多いのですが、人間は自分に都合の良い情報を優先的に取り込む傾向があるため、多くの情報を平等に見ることができません。
このため、人に流された売買では、「ネットでは多くの人が買っている(売っている)」といった偏った見方になりやすく、
- 「出遅れてはならない」と焦って売買する
- 「買い(売り)で間違いないはずだ」と考えて大きなポジションを取る
という、損切り貧乏を招く二つの原因を同時に犯す危険があります。
しかし、その情報源にどれだけの価値があるかは未知であり、誤った判断を取り入れている可能性もあります。
それだけに、逆行の際には「ネットの情報は間違いだったか?」という疑心暗鬼に陥りやすく、恐怖心による損切り貧乏も招きやすいです。
人に流されて売買することは、損切り貧乏の原因が複数絡み合う、非常にまずいやり方なのです。
損切り貧乏から抜け出す4つの方法
2. 小さいポジションから始める
3. 他人に流されない
4. 損切りの目安を決めておく
1. 焦って売買をしない
日本の歴史上、投資で最も成功したとされている人物は、なんといっても本間宗久です。
出典:『酒田市史』
本間宗久は、江戸時代の米相場で大成功を収め、「日本の相場師の祖」ともいわれている人物です。
宗久翁の有名な言葉に、
「売買共、今日より外、商場なしと進み立時、三日待べし(売りでも買いでも、ポジションを取るタイミングは今日しかないと焦ったときは、三日待ってみなさい)」
というものがあります。
宗久翁が取り組んだのは米相場ですが、当時の米相場は一日単位で値動きを見るのが普通であったため、宗久翁は「3日待つべし」と言っています。
これを文字通り「3日間は様子を観よう」と捉える必要はなく、「焦って売買せず、ちょっと様子を見てみよう」くらいに捉えて構いません。
投資のスタイルによって異なりますが、FXでは数時間、数分といった細かい単位で取り組む人も多いです。
もし、1時間単位で値動きを見ているならば、直近の1時間でチャンスと思えるタイミングがあっても、その後の3時間くらいは様子をうかがっておくのです。
このように一呼吸おくと、一時的な値動きに惑わされにくくなり、無駄な損切りを減らすことができます。
もちろん、出遅れることで少々利益が目減りすることはあるでしょう。
しかし、冷静に考え、毎回の売買の精度を高めて損切り貧乏を避けたほうが、長期的には利益の安定につながります。
焦って売買する人は多いですが、焦る必要はどこにもないのです。
2. 小さいポジションから始める
小さなポジションであれば、逆行による含み損は小さく、恐怖心に煽られることもないため、上記の「焦らずに少し観察する」に加えて「より冷静に観察する」ことができます。
焦らず、冷静に観察した上でポジションを取るならば、利益を得られる可能性も当然高まります。
小さいポジションから始めることは、プロの投資家も実践していることであり、テクニックとしても成立しています。
- 試し玉(値動き・雰囲気を確かめるために、試しに小さな玉(ポジション)を建ててみる)
- 打診買い/打診売り(小さなポジションを取り、自分の判断が正しいかどうかを市場に打診する)
といった用語があることからも、常識的であることがわかるのですが、経験年数がそれなりに長い人の中にも実践できていない人が多いです。
小さなポジションから始めることを初心者のうちから習慣づけるならば、それだけでもかなり有利になります。
3. 他人に流されない
本来、投資は一人で取り組むべきものです。
「人の意見を頼りに売買する」ということは、「人の意見がなければまともに売買できない」ということです。
そのような状態では、長期的に利益を求めていくことは不可能です。
これからFXを始める人は、自分の判断で売買し、利益をあげていくことを理想としているはずです。
純粋に自分の判断で売買するには、他人の影響は少ないほどよく、他人の影響がゼロであることが最も望ましい状況です。
歴史的な投資家の中には、他人の影響を排除することを、潔癖なまでに重視した人もいます。
株式投資の話になりますが、「グレート・ベア」などと畏怖されたアメリカの相場師ジェシー・リバモアは、周囲のすべての人に対して「投資に関する話は一切しないでくれ」と厳しく求めていたといいます。
人に影響されずに売買すれば、自分の判断基準で適切な損切りができ、経験・知識・技術を積み重ねるたびに、損切り貧乏からますます遠ざかることができます。
4. 損切りの目安を決めておく
損失を過度に恐れていると、「これくらいの逆行で損切り」の「これくらい」の基準がシビアになりすぎ、損切りの頻度が高まります。
事前に決めた目安に基づき、心理状態に関係なくポジションを維持すれば、無駄な損切りを減らすことができます。
ただし、損切りの目安は一概に決められるものではありません。
なぜならば、損切りの目安は、取引する通貨ペアや時間軸、ポジション保有期間などによって大きく変わってくるからです。
例えば、
- 「1USD=100円の米ドル/円」と「1GBP=150円のポンド/円」では、価格が異なるため
- 「値動きの幅が小さい米ドル/円」と「値動きの幅が大きいポンド/円」では、逆行の値幅が異なるため
⇒「ポンド/円の損切りの目安」は「米ドル/円の損切りの目安」より大きく見積もるべきである
- 「時間当たりの値動きの幅が大きい1時間足基準」と「時間当たりの値動きの幅が小さい10分足基準」では、基準とする時間軸の逆行の値幅が異なるため
- 「期待利益と許容損失が大きい1ヶ月のポジション保有」と「期待利益と許容損失が小さい1週間のポジション保有」では、ポジション保有期間中の逆行の値幅が異なるため
⇒「基準とする時間軸やポジション保有期間が長い場合の損切りの目安」は、「基準とする時間軸やポジション保有期間が短い場合の損切りの目安」よりも大きく見積もるべきである
⇒FXの保有期間は?勝つ為のポジション管理を正しく理解しよう!
といったように、条件に応じて目安も変わるのです。
したがって、損切りの目安は一概に決められるものではなく、実際に経験を積んでいく中で、適切な目安を探っていく必要があります。
損切り貧乏にならない為のマイルール
- 焦らないこと
- 小さなポジションから始めること
- 他人に流されないこと
- 損切りの目安を決めること
これらの方法は、単に知識として知っておくのではなく、ルールとして捉え、しっかり守っていくことで利益を生み出す事ができます。
ひとまず上記4点をベースにマイルールを作成し、一度、心掛けてトレードに取り組んでみてください。
本稿では「損切り貧乏にならない方法」としましたが、ここまでの解説からも分かる通り、これらの方法は「損切り貧乏にならない方法」であると同時に、「よりよいパフォーマンスを実現する方法」にも通じます。
ただし、ルールの遵守は簡単ではなく、実際の売買では無意識のうちにルールを破ってしまうことも多いものです。
だからこそ、ルールを守っていくためには、ルールを守りながら売買の経験を積み、ルールを守ることに慣れる必要があります。
初心者のうちから大きく稼ごうと考えるのではなく、まずは口座を開設し、経験を重ねていくことが大切です。
まとめ
FXで安定的に利益を得るためには、損切りが欠かせません。
しかし同時に、損切りは適切に行うことが重要であり、損切り貧乏に陥ることも避けなければなりません。
損切り貧乏に陥る人には共通する特徴があり、それを知ることで損切り貧乏を避けることもできます。
これからFXに取り組んでいく皆さんには、損切りルールを決めたうえで取り組み、損切り貧乏にならず、上手に損切りできるようになってほしいと思います。
FXは考え方次第で利益を着実に生み出す事が可能です。
FXの特性上、短期的に利益を大きく取りに行けるので、ギャンブル性が高いようにも思えます。
ただ「FXで負けてしまう行動を徹底的に抑える事」で、着実に利益を生み出す事ができます。
ぜひ、堅実なFXライフを送るための考え方をご欄下さい。